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美しいフレッシュな鱼体を持つレインボートラウト。大きさは惜しくも19.5インチであった。 |
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レインボートラウト(ニジマス)は北米原产の鮭鱒の仲间で钓りの対象鱼として人気が高い。その姿は、緑色の背中に赤い帯が体の横に走っていて、虹のように美しいことからその名前がつけられている。贪欲にエサを食べ、ハリにかかると力强さとスピードを兼ね备えた引きで我々钓り人を楽しませてくれる。今回我々5名は、そのレインボートラウトをフライフィッシングで狙うために、アメリカアイダホ州ヘンリーズフォークを7月の中旬に访れた。 |
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この日は花咲く牧场のトレイルを歩いて川までアクセスした。 |
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フライフィッシングとは、西洋式毛ばり钓りで、イギリスで発祥してアメリカで発展した独特な钓りである。フライラインという特别な太い糸を使い、その糸をムチのようにシナらせ、小さくて軽い毛ばりを投げ、川に流し、あたかも本物の虫が川を流れるように见せて鱼を食い付かせる。このフライを投げるテクニックもこの钓りの非常に面白い要素である。フライ(毛ばり)の种类も千差万别あり、その选択によっても钓果が大きく左右される。季节や天候、気温、水温、水量などから、広くて深い川の中のどこに鱼がいて、どういう种类のエサを食べているかを推测し、それがピタリと一致しないと鱼は钓れてくれない。自然のパズルを読み解き、自然と一体になることができるスポーツなのである。 |
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この日はボートで川を下り流ら目的の“ライズ”を探した。 |
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今回访れたヘンリーズフォークは、対岸まで50mから100mもありそうな幅の広い浅い川でゆったりと流れている。川底には水草が豊富に茂り、その水草がたくさんの水生昆虫を育み、その虫达が大きな鱼を育む。数あるアメリカの川のなかでも大物レインボートラウトが钓れることで有名な川である。がしかし、その大物を钓り上げることが非常に难しい川としても有名なのである。その理由は、先に述べたことすべてが要因となっている。ひとつはエサとなる水生昆虫が多すぎるために、そのなかにフライを流しても鱼に见つけられ难い。せっかく见つけられたとしても、川の流れが平坦で遅いため、フライがニセ物だと见破られやすい。また、何年も生きている大きな鱼は钓り人や捕食者の胁威から逃れる知恵が身についていて非常に贤い。やっとハリにかけられたとしてもその强靭な力で茂る水草の中に逃げ込んでしまう。そんな强敌にあえて挑戦して大物を钓り上げようとここにはたくさんのフライフィッシャーマンが访れる。そんな圣地とも呼ばれている场所で、20インチ(约50センチ)のレインボートラウトを钓り上げることがひとつのステイタスとなっていて谁もが狙っているのだが、果たして、我々の滞在中にその目标は达成することができるのだろうか? |
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そのトレイルを何キロか歩くと、目の前に雄大な流れが広がった。 |
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成田からシアトルを経てモンタナ州のボーズマン空港に降り、ボーズマンから陆路2时间でヘンリーズフォークの畔の町、ラストチャンスに着いた。この辺り、モンタナ、アイダホ、ワイオミングの州境周辺はロッキー山脉を缝ってたくさんの川が流れていてそこには多くの鱒が住み、フラフィッシングのメッカとなっている。映画「リバーランズスルーイット」の世界そのものだ。 |
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これが“ライズリング”鱼が水面を流れる虫を食べたときに起こる波纹である。これを见ると钓り人は兴奋する。 |
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ロッジにチェックインして休憩する间もなく早々に钓りの用意をし、钓具店でフィッシングライセンスを买い、店员に状况を闻いた。运良く何种类かのカゲロウがたくさん羽化していて、鱼达は盛んにそれを食べているとのことだ。早速川に行ってみると、流れの所々で鱼达が水面に头を出して流れる虫を食べているのを见ることができた。この动作はライズと呼ばれ、これによって広がる水面の波纹はライズリングと呼ばれる。まさに我々が探し求める、鱼が今そこに居てエサを食べている状态である。非常に兴奋させられるシーンなのである。早速そのライズリングにゆっくりと近づいていって、流れる5mmほどのカゲロウを模したフライを流すと、すぐさまそのフライに鱼は飞びついてきた。我々グループの何人かは狙うレインボートラウトを钓り上げることができたが、どの鱼も30センチ以下と小さいようだ。そこで、夕方薄暗くなった顷、钓具店で闻いた大物がいるというポイントへ移动した。そこでは2cmもある大きなカゲロウが空を覆いつくすほど飞んでいて、水面でも羽を帆のように立てて流れていた。慎重に川面に目を凝らすと???いた、ライズだ。水面から巨大な头を出して虫を食べている。大物だ。竿を握る手が震えるような主に唯一の女性参加者である碍さんがトライすることになった。鱼に悟られないように下流侧に立ち込み、上流からたくさん流れてくるカゲロウに纷れさせてフライを打ち込んだ。果たして、数等目に鱼はユラッと水面を揺らしながらフライを吸い込んだ。がしかし、すぐに糸を切られてしまった。鱼は力强く、明らかに20インチは超えていた。 |
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约2センチほどの茶色い大きなカゲロウがたくさん羽化していた。例年にはなく珍しいことであった。 |
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翌日、碍さんは前日の悔しさを胸に、フィッシングガイドとボートに乗っての钓りとなった。ボートで数キロ下りながらライズを探してはトライする、ハンティングのような、兴奋させられる钓りである。この日は朝から様々な场所で大物のライズを见ることができた。慎重にフライを投げ、鱼がエサを食べている流れの筋にできるだけナチュラルに流し込んで、その一匹になんとか食わせることができた。ハリ掛かりしたまま暴れて水中を走り回った末、ガイドの网にやっと入った鱼は、银色の鱼体にピンク色の帯が美しいオスであった。サイズはなんと、19.5インチ。惜しい!ここまで来たら今回の旅で栄光の20インチを射止めるしかない!全员で碍さんを応援しようということになった。 |
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この日もすぐに碍さんが掛けた。鱼はライズをしながらこちらにやって来てフライを咥えた。 |
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碍さんが大物を掛けてファイトの真っ最中 |
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次の日は牧场のなかのトレイルを何キロか歩いて川までアクセスした。ここは今までの场所より川幅が広く流れが遅い。その川の真ん中あたりで大物のライズが何箇所か见られるが、鱼へのアプローチが一段と难しそうだ。それぞれのライズを目指して、みんなで散らばっていった。ここでついに、碍さんは伟业を成し遂げた。普通ならライズに近づいていくと、そのライズも远くに离れていくのだが、彼女曰く、「私が立ちこむとライズが近づいてくるんです。」の言叶通り、远くでライズを繰り返していた鱼がユラ~とだんだんこちらにやってきて、なんと3投目にあっさりと大物を仕留めてしまった。ワニのように大きく裂けた口を持つオスで、大きさはなんと21インチであった。 |
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